2017年2月17日
富家ライスファミリーの寺川さんが今年種モミの温湯処理を試しています
先週は高知市内もうっすら雪が積もるほど寒さがきつかったのですが、その冬の寒さもようやく峠を越したようです。
今日は18℃まで気温も上がり春一番も吹きました。
季節は確実に進んでいます。
香南市野市町の除草剤1回のみのコシヒカリの減農薬栽培グループ、富家(ふけ)ライスファミリーのメンバーの一人、寺川さんが今年は種もみの温湯処理を試すとのことで見に行ってきました。
例年、富家ライスファミリーは微生物農薬のタフブロックによる種モミ処理を行っています。(善玉菌である糸状菌のタラロマイセス フラバス菌を含んだ水に種モミを漬け込むことで、種モミ表面に善玉菌を優先化させる。そのおかげで病原菌が繁殖できなくなる)
今年もタフブロックは使いますが、ここ数年苗立ち枯れ病がポツポツ見られるようになったので、温湯処理を試してみて発芽率を比較したいとのことです。
温湯処理とは「60℃のお湯に種モミを10分浸ける。そのあとすぐに冷水で冷やす」種モミ処理です。
この「60℃のお湯に10分浸けてすぐに良く冷やす」のがポイントです。
この温度と時間なら、種モミ表面に付着している可能性のある病原菌は死滅しますが、種モミの内部までは熱が通りませんので無事に発芽します。
個人の農家だと自宅のお風呂で温湯処理する人も多いですが、温度が高すぎたり低すぎたりしてうまくいかないこともあります。
今回寺川さんは「湯芽工房」という温湯処理専用機を購入していました。
この機械を使うと温度設定も時間も正確に管理できますので、しっかりと温湯処理することができます。
湯芽工房と寺川さん 種モミをお湯に浸ける
10分後に取り出した種モミを冷水で冷やす つづけて浸種作業の準備
温湯処理の終わった種モミは、続けて湯芽工房の張り込みタンクを使って浸種作業(種モミを水に浸けて、発芽させる準備のためにゆっくりと吸水させる)します。(15℃前後の水に6日間位浸ける)
循環シャワーで酸素供給しながら浸種中 田んぼの準備も整っています
このあとタフブロックによる処理を行って催芽(芽出しさせる)、播種となります。
富家ライスファミリーでは、2年前から出穂前後の稲に玄米黒酢を2回散布しています
(イモチ病予防と米のうまみアップのため)
このときも、前年に寺川さんが自分の田んぼで玄米黒酢の散布を試験して問題がないか確認してくれています。
始めてのことは不安や怖さがありますが、まずは試してみようという寺川さんの姿勢を私たちも見習っていきたいです。