2017年3月4日
岩原一男さんの籾蒔きがはじまりました
朝早く、岩原さんから、
「おんしゃーなにしゆ、はよー来んか、籾蒔きやりゆぞ」
と、高知のおんちゃんの、ネイティブな土佐弁で電話がありました。
他県の人が聞くと、けんかをしている?とびっくりされる事もありますが、
高知では、その辺で飛び交う日常会話なのです。
岩原さんは、無農薬、減農薬のお米以外にも、オクラや金時芋、もち米なども作られています。
それらを使って、自宅のに併設された加工場で、お餅やお寿司なども作っています。
さっそく籾蒔き作業をしている倉庫に行ってきました。
籾は鳩胸ぐらいに膨らんだら蒔き時との事(約10度の水に10日程浸水した籾)
今日は減農薬米だけの予定が、無農薬米の籾蒔きもする事になったようで、
朝早くから作業を始めています。
息子さんと、近所の田んぼ仲間が応援に来てました。
岩原さんは、また別の日に、その方の籾蒔きの手伝いに行くらしく、
ご近所でお互いに助け合いながら、籾蒔き作業が進んで行きます。
籾の排出量は139gと少なめに設定しています。
こうする事で1箱あたりの苗数は少なくはなりますが、
苗1本1本が余裕を持って育つことができるので、苗の軸も太く育ち、
ジャンボタニシや、風にも強い苗に育つとの事。
(苗と苗との間隔が狭いと、上に伸びやすくなり、ひょろっとした苗になってしまうそうです)
1反あたりの苗箱数も12枚で少なめです。これを、1坪あたり約37株で植えていくそうです。
これで、株間を開け風通りを良くして病気を防ぎます。
岩原さんの田んぼのある、国分地区は、昔からの田園地帯で、広大な田園風景が広がっています。
その中にポツンとひとつ、小さな森のような場所があり、
ここが四国遍路29番札所の国分寺です。
国分(こくぶ)と言う地名は、もとは国府(こくふ)と書いていました。
国府は、奈良時代から平安時代に、各国に置かれた県庁みたいなもので、
その国の中心だったことが分かります。
1200年ほど前、そこに建造されたのが国分寺です。
(ちなみに地域の小学校は国府小学校となっています)
国分寺の山門
国分寺周辺の田んぼは、今でも、古代国分寺の発掘調査などが行われている場所もあり、
1キロほど離れた、岩原さんの家の辺りも元は国分寺の土地だったそうです。
育苗ハウスは、この国分寺のすぐ南側にあります。
苗箱をならべ、その上に、太陽シートを敷きます
(従来のシートに比べると、熱のもとになる紫外線を通しにくく、温度を一定に保ちやすく使いやすいとの事)
その周りに、透明のビニールホースを1周させ、中に水を溜めます。
これは、シートを押さえる役割と、ホース内の水がハウスの熱で暖められ、
温度が下がりやすい、ハウスの端側部分の温度を上げる役割もあるという、岩原さんの工夫です。
おまけに、板などで押さえるなどの方法よりも、シートが破けにくく長持ちするので良いそうです。
この後は、天気が良いと1週間ほどで発芽します。
歴史ある、国分の田んぼの青々とした、気持ちの良い風景が今年も楽しみです。