2019年9月2日
【海工房】に新しい仲間が加わりました!
西隈隆則さんが【海工房】を立ち上げてから16年、代表を退くお歳も近づき、後継者を迎え入れないと事業の継続が立ち行かない状況になって参りました。「事業を存続するのか、畳むのか」という選択の中で、このたび西隈さんの娘さんご夫婦が海工房を継がれることになり、お二人で高知に移住、7月16日より天日塩作りの修行に入られました。
そのご夫婦は「吉田雄三(ゆうぞう)さん / やよいさん」ご夫妻です。
雄三さんは、神奈川県川崎市出身の39歳、来高前は横浜で映像撮影用の照明機材のレンタル会社に勤めておられました。
やよいさんは、高知県幡多郡大方町(現・黒潮町)出身の35歳。18歳の時に土佐を脱藩して東京へ。バーの店員など色々な職を経験する中で、雄三さんと出会いました。
横浜で生活していたお二人ですが、今から三年前、西隈さんより「会社(海工房)を継ぐか、畳むか、3年以内に決めてくれ、できれば吉田君に決めたい。」とのお話があり、長年重い照明機材を扱う業務の中で腰を痛めて、仕事を続けることが難しくなっていたこと、早朝から深夜までの撮影や地方ロケなど、なかなか家に帰って来られない仕事のため、やよいさんの「この暮らし方での老後は無いな」という思い、またやよいさんのご両親(西隈隆則さん、土居久美子さん)の今後のことも考えて、なるべく近場に居る方が良いだろう、との結論に達し、海工房を継ぐことを決められました。
ずーっと都会で暮らしてきた雄三さんですが、田舎の高知に移住するに当たって、特に抵抗は無かったと言います。
雄三さん、元々自然遊びが大好きで、高知に行けば釣りや自然の遊びができるということ、また汗をかく仕事・太陽に当たって仕事をするのが好きなこと、そして、初めて天日塩作りを見た時、感動して、こういった塩作りをしている西隈さんを尊敬していることも理由の一つとして、高知に来ることを決められました。
塩作りの修行に入られて一ヶ月、これまでで一番大変だったことは?の質問には、「先日の台風10号が近づいてきた時に、(王無しの浜の)沖に沈めている海水の取水ポンプの回収作業をしたのですが、口径が大きく結構重たいパイプを手作業で引き上げるため、治りかけていた腰をまた少し痛めてしまいました。また台風接近による高波を被ってしまい、自然の中で行う作業の怖さを感じました。」とのこと。やよいさんからは、大変だったことって、(塩の作業じゃなくて)そこ?との突っ込みが…。
現在、やよいさんのお母さんの久美子さんから天日塩作りの指導を受けている雄三さんとやよいさん。
天日塩作りに携わるに当たっての“思い”を聞いてみました。
▽雄三さん
品質を落とさず、美味しい塩を消費者の方に提供できることを心掛けたい。
手揉みで更に美味しくなる「美味海」は、おいしい。良い塩だと思います。
海工房を畳むと聞いた当時、「エッ?畳むの?」となって、だったら継いだ方が良い、という気持ちになりました。隈さん(西隈さん)とお義母さん(久美子さん)が40年近くやってきて、濃縮した技術を教えてくれることに、有難さを感じています。それはしっかりと継いでいきたい、という気持ちがあります。
▽やよいさん
維持し続けることでたぶん手一杯になると思います。
維持し続けて、存続させていくことが最大の目標です。
ややこしくしない、シンプルさを続けていきたいと思います。
最後に「まずは、言われたことをしっかりとできるようになりたいです。」との雄三さんの言葉に、やよいさんから「早く引継いであげて!」との一言。
雄三さんとやよいさんの塩作り生活は始まったばかりです。
西隈代表を囲んで(やよいさん、西隈隆則さん、雄三さん)