2019年11月13日
今秋、ウンカ被害で見えたこと
この秋、ヒノヒカリなど中稲の田んぼでは、ウンカの被害が多発しました。台風など南からの風に乗ってやってくるトビイロウンカです。実り始めた稲が丸く枯れていくので、土俵ウンカとも呼ばれている厄介な害虫です。
周囲では発生しているのに、赤松さんや川瀬さんなど無農薬栽培をして頂いている農家の田んぼでは、農薬を撒かないのにウンカの被害が出ませんでした。ウンカの発生している近所の人が「3回殺虫剤を撒いたけど、効かないので諦めた。」と言われていたそうです。
無農薬栽培の田んぼには、ウンカ糸片虫という天敵が多く住み、その幼虫がウンカに寄生し、稲を吸う力を失くし弱ったウンカはトンボやカエルやクモに食べられて行きます。そして、ウンカ糸片虫の幼虫が成虫になって出ていくときに、寄生されていたウンカは死んでしまうそうです。
南方で農薬耐性をつけたウンカに、日本の殺虫剤はなかなか効きにくいようです。農薬はウンカには効かず、ウンカの天敵トンボやクモなどを殺すので、かえって逆効果です。
「農薬での管理」より「生物多様性での管理」の優位性が見えた秋でした。